株式・FX市場情報
★NY株式市場では、主要三指数は全て上昇する展開になった。寄り付きは下落したが、その後上昇するも5月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表を控え、様子見姿勢から上昇幅は縮小した。議事要旨では、大部分の当局者が今後2回の会合でも0.5%の利上げが必要だとの認識で一致していたことが明らかになった。積極的な引き締め継続姿勢が示された一方で、タカ派姿勢への警戒を強める内容ではなく、安心感から上げ幅を拡大した。足元で売りが強まっていた小売りやハイテク銘柄にも買いが入り、相場の上昇をけん引した。一方、長期金利は、4月米耐久財受注額が予想より弱い結果となり、米景気減速への懸念から安全資産とされる米国債は買い(利回りは低下)が先行した。もっとも、その後は米株高を受けて伸び悩んだ。5年物国債入札の結果が『やや低調だった』と受け止められたことも相場の重しとなり、10年物国債利回りは前日比で上昇(利回りは低下)に転じる場面も見られた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が小幅に低下したものの、三指数が上昇したことでイールドスプレッドは全て縮小した。そのため、イールドスプレッドの割高感が若干強まった。全般割高感が強まっていることから、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。
世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は29.45から28.37へ小幅に低下した。VIX指数は低下したものの20台後半で推移していることから、米国株は不安定な動きは継続しやすい。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。 一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.252%
・直近イールドスプレッド縮小:20/10/12-▲2.847%、 21/1/11-▲2.611%
21/10/21-▲2.758%、22/4/19-▲1.713%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月24日:▲2.446%⇒5月25日:予想▲2.416%(前日比で縮小:割高)
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.776%
・直近イールドスプレッド縮小: 20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%
21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・5月24日:▲2.875%⇒5月25日:予想▲2.825%(前日比で縮小:割高)
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.749%
・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%
株式の売られすぎの指標とは 21/11/23-1.299%、22/4/19-0.513%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.株式の売られすぎの指標とは 179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・5月24日:▲1.331%⇒5月25日予想▲1.274%(前日比で縮小:割高)
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
コメント