FXのダウ理論とは
ベストセラー『ずっと使えるFXチャート分析の基本』シリーズ第2弾!
相場の勝敗は技術で決まる!
「相場の壁とレンジ」を使ってチャート分析の精度・確率を高め、取引機会と利幅を広げて着実に利益を上げるテクニックを紹介します。デイトレやスイングトレードにも応用できます。
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★相場の壁とはなにか
相場の壁とは、「買い手と売り手の力関係が均衡して、一時的に値動きが止まった状態(レート)」のことを指します。具体的には、高値(天井)や安値(底)がこれに当たります。
1ドル=110.000円といったキリの良い数字が「見えない強力な壁」になっていることもあります。
★トレードのコツはまず相場の壁を見つけること
相場には大小無数の「壁」があります。この壁で値動きが止まったり、反転したり、壁を突破すると加速したりします。壁と壁の間は値動きが不規則な「レンジ」となります。こうした相場のしくみを知っていると、どこがねらい目の取引タイミングなのか、どこは手控えるべきなのかが見えてきます。まずは壁を探すことがFXで効率よく稼ぐポイントになります。
また、壁を理解すると、ダウ理論の弱点とされる部分が、実は複数時間軸の視点が足りなかったり、相場心理への目配りに欠けていることに気づかされます。ならば、それを補えばよいのです。
★壁を使った取引タイミングは4カ所が基本
相場は値動きを抑えている壁を超えない限り、本格的には動きません。こうした膠着相場(レンジ)の壁を超えたところにエントリーのオーダーを置き、相場が動き出せばポジションがつくられ、動かなければ手を出さない、のが原則です。こうした戦略が身に着くと、値動きの勢いにつられて慌てて「ポチッ」とやって失敗することがなくなります。
相場の均衡が崩れる動き、つまり壁を超えて動き出すタイミングを見つけることが、トレード戦略には不可欠です。2本の壁に挟まれたレンジの場合、順張りの取引タイミングはエントリーと損切りで2カ所ずつ計4か所になります。
★相場にマルチタイムフレーム分析は必須
トレンドや相場の壁の強さは、15分足⇒1時間足⇒日足⇒週足というように、長い時間軸ほど強くなります。壁際で止まり反転させられる動きは、長い時間軸の壁に近づいたときに起こりやすくなります。より厚い壁に近いかどうかを注意するには、この複数時間軸の視点が欠かせません。
マルチタイム分析の方法には、1複数の時間軸チャートを見ていく方法に加え、2テクニカル指標のパラメータを工夫して1つの時間軸チャートに複数の時間軸の指標を表示させることもできます。例えば1時間足チャートに、1時間足・4時間足・日足の3本の21SMAを表示させるといった具合です。
これらを使いこなすことで、今度は厚い壁を利用して反転を狙った逆張りを考えたりもできるのです。
★テクニカル指標は主役ではなく補助的なもの
テクニカル指標は大まかなトレンド方向を示すもので、単体で取引タイミングを計ろうとするとダマシに遭います。チャート分析の基本はあくまで「ダウ理論」です。テクニカル指標はそれを補強するために補助的に使用します。
また、テクニカル指標もマルチタイム化することで、より信頼性を高めることもできます。
★レンジ内の利幅も攻略できる
チャート分析では、レンジの上限や下限のブレイクでエントリーが原則です。しかし「マルチタイム分析」と「テクニカル指標」を併用することで、レンジブレイクを待たずにエントリーし、レンジ内の利幅も含め大きく狙えるようになります。
レンジ幅が大きすぎれば、小さい時間軸に下げてサイズを調整することもできます。
1章・取引タイミングを探すマルチタイムの視点
2章・トレードのコツは相場の壁を見つけること
3章・相場の壁を意識したFXトレードの実践
4章・ダウ理論をテクニカル指標で補強する
5章・すべての技術を使いあらゆる場面でトレードする
FX初心者の迷いを解消、投資心理とチャート読解力を鍛えるサイト。
ダウ理論の核心、目線が決まれば心が決まる。
迷わない自分をつくるダウ理論
ダウ理論を知るメリットは、目線の固定ができるようになることです。トレードするうえで最悪な感情は「迷い」であり、これがある限り正常な判断はくだせません。ダウ理論を目線の基準にすれば、利食いや損切りするポイントが明白です。特に損切りの場合、ダウが崩れトレンドが反転するということは、エントリーの根拠そのものが否定されたことになるので、何の迷いもなくポジションを切ることができます。
トレンドは継続するもの
トレンドはフレンド(友達)という相場の格言があります。相場で負けたくないなら、とにかくトレンドフォローに徹することです。方向感のある相場では、多少エントリータイミングでミスをしても、相場に助けられることがよくあります。たとえば【a】ラインを上抜けることは、高値と安値を両方切り上げたことになりトレンドの発生を意味します。その後、高安を更新している限りは押し目買いを続ければいいのです。
トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する。
ダウ理論の6つの定義で一番重要なのは「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」というものです。【a】ラインは明確なシグナルとなる水平線で、このラインより上が上目線、下が下目線になります。【a】ラインはピンク上昇トレンドの最後の押し安値に引かれる水平線です。
複数の時間足で複合的に考える。
相場が難しいのは波が時間足ごとに複数あるということです。トレーダーが基準にする時間足がそれぞれ異なることで、波は上がったり下がったりします。チャートを読めるようになるには長中短期の3つの波を認識できる目を養わなければなりません。たとえば、ピンク1時間足を基準にトレードするのであれば、そのひとつ上のオレンジ4時間足、ひとつ下のグリーン5分足(あるいは15分足)の状態を見るのです。
【a】ラインより上はピンク1時間足では上目線ゾーンですが、ひとつ上のオレンジ4時間足では下目線ゾーンかもしれません。4時間足戻り売り候補ラインから4時間足トレーダーがショートしてくる可能性があります。いずれにしても4時間足トレーダーと1時間足トレーダーの戦いとなり方向感がなくなる局面です。しかし4時間足>1時間足の強弱関係を考えれば、1時間足が最終的に負ける可能性が高いので、1時間足が上目線中でもショートすることが可能です。
4時間足トレーダーがショートしてくるというシナリオを立てるなら、なるべく上から入れるポイントを探します。4時間足戻り売り候補でバチンとは入れないので、短期5分足のトレンド発生を待ちショート、まずは【a】ラインで様子を見ます。そのまま抜けそうならホールドして4時間足の波に乗ります。【a】ラインは1時間足トレーダーが最後の粘りを見せるポイントなので、抜けないようなら一旦利確、1時間足ダウが下目線になってから、安全に入りなおします。
今日のまとめ
家を建てるにはGL(グランドライン)という基準があります。GLとは地上と地下を分ける水平線のことで、もしこのラインを決めずにいきなり家を建て始めれば、とんでもなく傾いた家になってしまいます。トレードする上で最も重要な基準は、目線を決める基準です。この基準はトレーダーによっても異なりますが、おすすめは水平線を使うことです。なぜなら水平線は一度引いたら動かないからです。インジケーターの類は時間の経過とともに位置がズレてしまうのでおすすめできません。
ダウ理論の基本「トレンドの継続と転換」【FXで勝つためのテクニカル分析 #6】
「 ダブルトップ 」とは、上昇トレンド中の高値が前回の高値とほぼ同じ価格となることで上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。最後に切り上げた安値は ネックライン と呼ばれ、ネックラインの下抜けで上昇トレンドの否定、下降トレンドへの転換を意味します。ダブルトップ後のネックラインの下抜けは多くの投資家が狙っている売りポジションのエントリーポイントとなっていますので、下抜けと同時に大きな下落が起きやすいという特性があります。
②三尊(ヘッドアンドショルダー)
「 三尊 」とは、上昇トレンドが否定されていない状態で高値を切り下げることによって、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。チャートの形が人の頭と両肩に似ているので「 ヘッドアンドショルダー 」とも呼ばれます。ダブルトップと同様に直近の安値が ネックライン となり、多くの投資家が狙っている売りのエントリーポイントです。ネックラインの下抜けは下降トレンドのスタートを意味しますので、下落が加速しやすいポイントです。
下降トレンドから上昇トレンドへの転換
①ダブルボトム
「 ダブルボトム 」とは、下降トレンド中の安値が前回の安値とほぼ同じ価格になることで、下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。最後に切り下げた高値がネックラインとなり、そのネックラインを上抜けることで上昇トレンドがスタートします。多くの投資家が買いのエントリーポイントとして意識していますので、上抜けと同時に強い上昇が起きやすいという特徴があります。
②逆三尊(逆ヘッドアンドショルダー)
「 逆三尊 」とは、下降トレンドが否定されていない状態で安値を切り上げることによって、下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。直近の高値がネックラインとなり、上抜けは上昇トレンドのスタートを意味します。多くの投資家が狙う買いエントリーポイントとなっていますので、上抜けと同時に大きな上昇を呼ぶ可能性が高くなります。
ダウ 理論 とは、チャールズ・ダウ氏が提唱したテクニカル分析に関する理論。
FXのダウ理論とは 上昇トレンド →安値の切り上げ、高値の更新が続いている状態
下降トレンド →高値の切り下げ、安値の更新が続いている状態
上昇トレンドの否定 →高値更新後に切り上げた安値を下抜け
下降トレンドの否定 →安値更新後に切り下げた高値を上抜け
継続していた トレンドの否定後は、逆方向のトレンドに発展しやすい 。ポジションを持っていないときは新規注文の検討を、ポジションを保有しているときは手仕舞いを検討すると良い。
トレンド転換を示唆する代表的なチャートパターンは「 ダブルトップ 」「 三尊(ヘッドアンドショルダー) 」
ネックライン(直近の安値)を下抜けでの「売り」エントリーが有効
トレンド転換を示唆する代表的なチャートパターンは「 ダブルボトム 」「 逆三尊(逆ヘッドアンドショルダー) 」
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