パチプロからFXに転向、10億円稼いだトレーダー「大衆の心理を読み“期待の逆”をいく」
ただし、最も重視しているのはチャートから垣間見える「大衆の期待」だ。 「直前の安値を割り込んで下落すると、大衆は『もっと落ちろ』と祈りながら売っていくもの。でも、その祈りが砕かれるときがある。わかりやすいのは、一旦直前の安値まで戻すパターン。大衆は『もう一度下げろ!』と期待して戻り売りを入れるけど、下げ切らずに揉むと、メチャクチャ焦りますよね? こういうときが絶好の買い場。祈りが砕かれた瞬間に、手じまいの買いが発生しやすいから、直近高値まで戻してきたら一気に上にハネやすい。大衆が裏切られて、売りと買いの優位性が逆転する価格帯というものが相場にはある。その価格帯を狙うことを『帯トレード』なんて呼んでます」 当然、ためため氏も「お祈り」はしない。利確は素早い。 「『帯』を上に抜けたら上昇が加速しやすいので、ティックを見ながら勢いが弱まってきたら利益確定。勢いが続いても、レジスタンスとして機能しそうな高値水準に到達するタイミングでは利益確定する。『まだ伸びる』と期待してしまったら、自分も大衆と同じ心理状態になってしまうので。高値・安値を切り上げながら階段状に値上がりするチャートでも、早めに決済する。綺麗に安値を切り上げるチャートでは、“売りが溜まる”ポイントがないので」 淡い期待は禁物。損切りの決断になると、さらに早い。 「予想と逆に行ったら1pips以内で切ることがほとんど。トレードする場面によって変わりますけど、1分足レベルのトレンドを『初動・継続・ブレイク』の3つに分けると、初動とブレイクほどボラが出やすいので損切りは早めにします。一方で、『継続』の局面では短期的に上下動しやすいから、自分のポジションに対して多少逆方向に振れても損切りせずに握り続けることが多い」
取引する時間帯も重要
ボラティリティ命のスキャルピングでは取引する時間帯も重要だ。 「3つの時間帯に分けています。朝は東京市場が動き出す9時前から9時55分の仲値決めを見て、早ければ10時過ぎには休憩。夕方は15時前からヨーロッパが始まる17時、18時頃までトレード。夜はNY市場がオープンして経済指標が出る前の21時からロンドンフィックス(ロンドンの仲値決め)が終わる0時過ぎまでトレードする。子供のサッカーコーチをしているんで、夕方は活動休止中やけどね」 イクメントレーダーによる「大衆の期待」を裏切る仁義なき帯トレード、ぜひお試しを!
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賢くコツコツ稼ぐためのシンプルFX入門
図7 FXにおけるローソク足の見方
5日移動平均線1本でOK
図8 5日移動平均線を見るだけでもトレンドは分かる 5日移動平均線(緑色)の向きが変わったらトレンド転換のサインとみる。下向きから上向いたら上昇トレンドで「買い」、上向きから下向いたら下降トレンドで「売り」のサイン。
図9 2本の移動平均線の交わりで分かる強いトレンド転換点 移動平均線は期間が長いほど長期的なトレンドを表す。21日移動平均線(オレンジ色)で中期的なトレンドをつかみ、5日移動平均線(緑色)で売買タイミングを判断する。両線の交差点はゴールデンクロスとデッドクロスといわれてトレンド転換を示す。
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