1年間のトータルの利益が20万円以下の場合、確定申告が不要になります。特に少額投資家には、ありがたく感じるでしょう。ただし、特定口座(源泉徴収あり)の場合は20万円以下の利益でも課税されます。利益が少額の場合は、特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の利用を検討するようにしてください。ただし、年間の利益が20万円以下でも給与所得が年間2,000万円を超える場合は、確定申告が必要となる点も覚えておきましょう。
株価が下落する相場で利益を出すには、どんなやり方がありますか?
お悩みのように、新型コロナショックのような相場では、毎日のように保有株の株価が下がって心がしんどいですよね。株価下落が続くと、証券会社の取引画面にログインしたくなくなってしまいます…。 そこで、「 株価が下がるときに利益が出る方法 」を3つご紹介します。私も実践している方法もありますので、それぞれ見ていきましょう。
①インバース型のETFを買う
「インバース」には、「反対の」という意味があり、「インバース型ETF」とは、株価指数(日経平均株価やTOPIX)と 逆の動きを目指すETF (上場投資信託)のことです。かんたんに言うと、 日経平均株価が下がれば、 下がった分利益が出る 設計になっています。
ETFなので、株と同じように 銘柄コード があり、株を買うような感覚で手軽に注文を出せるのが便利です。私が使っているものを、いくつかご紹介しますね。
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
---|---|
1571 | NEXTFUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 |
1580 | 日経平均ベア上場投信 |
銘柄コード | ETF名(上場投資信託) |
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1357 | NEXTFUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 |
1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 |
ただし、インバース型ETFには 大きな欠点 があります。それは、 長期保有を続けると、徐々に価格が下がってしまうこと です。ここでは、詳しい解説は省略しますが、短期的な運用に向いている商品といえます。(※詳しくは、「インバースやダブルインバースのETFとは何ですか?」をご参考ください)
②個別株を空売りする
株価が下がると思った株を 空売り (信用売り)することで、利益を出すことができます。具体的には、証券会社から株を借りておき、株価が下がったら株を返済します。その価格差が利益となります。例えば、株価1,株式投資で利益を出す仕組みとは 000円で100株空売りをしておき、株価900円のときに決済(返却)すれば、1万円(=100円×100株)の利益が出ます。
それでは、どんな株を空売りすれば利益が出るのでしょうか?当然、株価が下がる会社の株を空売りする必要があるので、日本の景気後退を予測している場合には、いわゆる 景気敏感株 (景気循環株・シクリカル株)がおすすめです。 業種で言えば、「鉄鋼、化学、紙パルプ」のような素材、「自動車、半導体、工作機械」のような製造業などが当てはまります。 具体的には、日本製鉄(5401)、日産自動車(7201)、コマツ(6301)などです。私もこのあたりの株を空売りして、リスクヘッジをしていました。
空売りは非常に便利なツールですが、注意点も多いです。まず、空売りするには、信用取引ができる口座(信用口座)を作る必要があります。また、貸借銘柄に採用されていない銘柄は、空売りをすることはできません。 そして、一番気をつけたいことは、予想に反して、 株価が上昇してしまったときに 大きな損失 となってしまう恐れがあることです。(※詳しくは、「信用取引とは?」をご参考ください)
③日経平均株価の先物を空売りする
日経平均株価の先物を空売りすることで、日経平均株価が下がったら利益を出すことができます。株価が下がれば、利益が出るのはインバース型ETFと同じですが、大きな違いは 証拠金による取引 になることです。 例えば、ミニ日経225先物取引では、8.1万円の証拠金で、204万円の取引となる(レバレッジ約25倍)ので、大きなレバレッジがかかります。資金管理には十分に気を付けてください。
今さら聞けない投資信託とは?なぜ利益が出る?図解で仕組みをわかりやすく解説
株式会社OneMile Partners代表取締役。2018年にmoneiro(マネイロ)を運営するOneMile Partnersを創業。それ以前は日本生命やフィデリティ投信で外国株式や日本株式運用のファンドマネージャーや証券アナリストとして従事。慶應義塾大学商学部卒。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。Amazon「一般・投資読み物」カテゴリで第1位を記録した『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法』 など著書多数
柴又 順平
専修大学・経営学部を卒業後、株式会社三井住友銀行に入社。おもに富裕層向けに、約17年間資産運用コンサルティング業務に従事。投信、保険、債券、住宅ローン、遺言信託、資産承継など、幅広い金融商品の取り扱いが可能で深い知識を有している。キャリアの途中からは管理職として部下の育成にも関わる。2021年に株式会社OneMile Partnersに入社。現在は、金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)、プライマリーPB(プライベートバンカー)資格を保有
宮内 勇資
ファイナンシャルアドバイザー。専修大学商学部卒業後、水戸証券株に入社。リテール営業に従事し、国内外株式、投資信託、債券などが得意分野。キャリアの途中からは人材育成にも携わり、主に若手社員の能力向上に大きく貢献した。2021年に株式会社OneMile Partnersに入社。現在は個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有
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