EPSを見る時は、様々な面に考慮し総合的な判断が必要となります。注目すべき点や深読みしたい点など、EPSを見る上で押さえておきたい点をチェックしておきましょう。
EPS(1株当たり利益)とは|計算方法とPERとの関係
そのため、成長過程の会社であれば、設備投資などをしてより成長するために、内部留保を潤沢に蓄えることが一般的だからです。
したがって、配当性向が低いからといって一概に株主への配当を軽視しているとも言い切れません。
欧米企業は株主還元を最重視する観点から、配当性向が重視される傾向がありますが、日本企業は安定性を重視することから、配当金額を一定として配当性向は毎期変動する傾向があります。また、日本企業は内部留保を重視しますので、一般的には欧米企業よりも配当性向は低くなります。
日本企業の内部留保は年々増加傾向にあり、その額は480兆円を超えているとも言われます。欧米企業と比較すると極めて高い数字ですが、内部留保が多ければ多いほど、企業としては安定した経営を行うことができるともいえます。
以上、EPSの意味や計算方法、EPSを使って計算できるPERや配当性向についてご紹介しました。
なお、株取引をして儲けが出ると、その儲けには約20%の所得税がかかります。また、株の配当金にも同じ税率で税金がかかります。利益や配当金が年間で20万円以下なら申告不要ですが、利益が20万円以上出て、かつ証券会社の口座が特定口座で「源泉徴収なし」を選択している場合には、確定申告が必要です。
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EPSって何?
日本FP協会認定 CFP®、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表
<プロフィール>
25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。
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初心者でもわかるEPSの意味と使い方とは
EPSは、企業の価値を知るひとつの指標として投資家が重視しているものです。また、企業同士の吸収合併などの際にも企業価値を知るために使うことがあります。
EPSを知ることは、投資家や上場企業の関係者でなくともビジネス上の判断や景気を読むためなどに役立ちます。
数値の上昇や下降がどのような意味を持つのか理解し、活用できるようにしておくことが大切です。
EPSの意味や正しい読み方・計算方法を解説します。
EPS(1株当たり純利益)とは
EPS(1株当たり利益)とは
EPSは、正式名称はEarnings Per Shareといい、「1株当たり純利益」と訳されます。株主の保有している1株に対して、企業が稼いだ利益を示すものです。
基本的には投資判断で使われる指標であり、 その企業の株価が割安か割高かを見る ことができます。
ただし、EPSは変化するものであり、そのほかの指標とも深く関わっているため、EPSだけを見ていれば良いわけでもありません。
EPSは投資判断の基準ともなる指標
EPSは、 1株に対して企業が稼いだ金額がわかる ものです。
1株あたりの稼いだ金額が高ければ、その分収益性が高いと見られることが原因のひとつですが、投資家がEPSを重視する理由はもうひとつあります。
投資家がEPSを重視する理由
投資家がEPSを重視するのは、 企業がどれだけ利益を株主に還元しているかをチェック するためでもあります。
企業は株主に対して保有株数に応じた配当を行い、株主にとっての配当金は投資を行う上での大きなメリットのひとつです。
配当性向が高い会社は、配当を重視する会社として見られるでしょう。
ただし、配当金を高くすればいいとは限らず、安定的な経営のための内部留保を蓄えることにも利益を使わなければいけません。
日本企業は内部留保重視の傾向が高いため、欧米の企業と比較すると配当性向は低い傾向にあります。
EPSとPER(株価収益率)の関係
PERは「株価収益率」と訳され、EPSと並んで投資家の投資判断や上場企業の経営計画で注目される指標のひとつです。
PERは、 株価がEPSの何倍であるかを示す指標 で、「PER=株価÷1株当たり純利益(EPS)」で計算できます。
EPSの計算方法
EPSの計算方法は、1株当たりの純利益という意味からも、「EPS=当期純利益÷発行済み株式数」であることがわかります。
当期純利益とは税引き後の利益のことです。単位は「円」で、純利益を割る発行株数には、自社株は含まれません。
例えば、当期の税引き後利益が6,EPS(1株当たり利益)とは 000万円、発行済み株式数が200万株の場合、
6,000万円÷200万株=30円です。
つまり、この会社の1株当たりの純利益は30円です。
純利益が多くなればなるほどEPSは高くなり、株式数が多くなるほどEPSは低く EPS(1株当たり利益)とは なります。
EPSが変動するケース
EPSを見て企業の経営状態や株の割安感などを判断するには、当期EPSだけではなく前年や過去のEPSを見て比較することも大切です。
前年との比較やこれまでの推移を知ると、 その企業の経営状態がどのような流れにあるか、そして今後は成長が期待できるのか予測 できます。
EPSが増加するタイミング
ただし、 EPSは企業の成長や収益の増加だけでなく、発行株数の影響も受けます 。そのため、企業の成長と関係なくEPSが増加することもあります。
EPSが増加したからといって、それだけで好調だと判断するのは早計です。
自社株買い
自社株買いとは、自社の発行済みの株式を買い戻す方法です。
「A社の株をA社が買う」というように、発行した株をその企業が取得し消却すると、発行済み株式数を減らすことができます。
自社で発行した株式を買い戻すことで発行済み株式数は減りますが、 会社の純利益は変わらないため、おのずとEPSは増加する ことになります。
株式併合による発行済み株式数の減少
株式併合も、 発行株数が減少するため、EPSが増加する 原因のひとつです。
株式会社では、ひとつの株式を分割したり、反対に複数の株式を併合したりして、株式数を変えられます。
株式の分割や併合で発行済み株式数が変動しますが、会社の純利益は変わらないのでEPSが変動します。
EPSが減少するタイミング
EPSが減少するのは、企業の利益が減った時 です。EPSが増加していれば企業は成長性が期待され、減少すると経営状況の悪化が危ぶまれます。
しかし、EPSの増加のタイミングと同様に、経営状況に関わらず、株式の発行数によってEPSが一時的に減少することもあります。
株式分割によって発行済み株式数の増加
株式分割を行うことで発行済み株式数が増加すると、EPSは減少します。これは、株式併合とは逆のパターンです。
また、株式併合と同じく、実施する際には株主総会での特別決議が必要となります。
株式分割で発行済み株式数が増加によるEPS増加は、 企業の経営状況の悪化とは関係がありません 。
純利益の減少
純利益の減少によるEPSの減少があった場合にも、減少の原因に目を向けることが必要です。
新規事業の立ち上げや大規模な設備投資など 、大幅に費用がかかることがあって利益が減った場合、長期的に見れば回復かそれ以上の増加が見込めるかもしれません。
EPSの活用方法
EPSは、正しい読み取り方ができれば、投資判断、経営判断に役立ちます。また、ほかの指標を算出するためにも使われます。
EPSの意味や増減の仕方を知ったら、次はEPSを活用する方法を考えましょう。
有意義な増資をしているか判断する
EPSは、企業が株式を増やし資金調達をした際に、増資が有意義なものであるかどうかを判断するために使えます。
増資によって 一時的に下がったEPSが回復し、株価上昇などにつながるか が見どころです。
企業は、新規事業の参入や事業規模の拡大などをする際に、新株発行によって資金調達するものです。
新株を発行すれば、発行株数は増え、EPSは一時的に増加します。
しかし、その増資によって企業が新規事業や規模拡大を成功させることで、利益は上がり、EPSも回復します。
ただし、発行済み株式数ばかりが増え、利益が上がらないと、株式の価値が希薄化し、増資が有意義に使われていないと判断せざるを得ません。
将来の株価の上昇・下落を予想する
現在の株価は「EPS×PER」で表せますが、PERが上昇したことを仮定して計算することで、将来の株価がいくらになるかも考えられます。
例えば、同じくらいの規模の同業他社のPERがその企業より上だった場合、 その企業も同業他社と同程度のPERまで株価は伸びる可能性がある ということです。
M&Aの株式交換比率の計算に利用する
M&Aでは、どちらかの企業の株式をもう一方の株式に交換することで企業を子会社化します。
A社がB社を子会社化するには、B社の株式をA社の株式に交換しなければいけません。
その時、B社の株式1株当たり、A社の株式をどれだけ割り当てるかをEPSを使って決めます。
ほかの指標を計算する際に活用する
M&Aで買収する企業が優良かどうかを判断する
EPSは、M&Aで企業を買収する過程の株式交換比率の計算でも使われますが、そもそも買収するかどうかを判断する材料にもなります。
EPSの推移を見れば、企業の成長性を確認し、 見た目の売上だけでない収益性を見定められる でしょう。
EPSを見るときの注意点
EPSを見る時は、様々な面に考慮し総合的な判断が必要となります。注目すべき点や深読みしたい点など、EPSを見る上で押さえておきたい点をチェックしておきましょう。
「EPS成長率」も重視
EPS成長率を計算する方法は、「(当期EPS-前期EPS)/前期EPS×100」です。 0%を超えれば成長が見られ、超えられなければ後退している と考えられます。
EPS以外の判断基準も併用する
EPSは、 投資やM&Aの判断材料のひとつですが、絶対的なものではありません 。また、現状のEPSだけを見て、過去や推移を検討しないのも危険です。
EPSを判断材料とする際には、EPSを唯一の指標とせず、ほかの指標も検討してトータルで判断してください。
上昇と下落の理由を見極める
EPSは単純に会社の利益が上がれば高くなるというものではありません。
保有している株式や投資を考えている株式、またはM&Aのターゲットなどを見極める際には、単純に数値の上下だけでなく、 その背景にある理由や原因を見極め、将来的にどのような変化が見られるかまで判断 すべきです。
EPSは投資判断や経営判断として様々なことがわかる指標です。 投資家の目も厳しく向けられ、EPSの下落が続くと経営不安を予想 される場合もあります。
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